家庭用蓄電池の容量ってなに?
災害用として自宅に設置したいけど、どんな基準で選べばいいの?
選ぶポイントやメーカーごとの特徴を教えて!
蓄電池の容量や計算方法は、実はとっても簡単に理解ができます。
最近、地震や台風、洪水などの災害が多発しているせいで、電気を貯めることができる蓄電池の需要は業務用としても家庭用としてもどんどん高まっています。
しかも、昔と違って蓄電池の価格も下がってきているので導入を検討する企業や家庭も増えているのですね。
私は不動産投資をしていますが、太陽光発電と組み合わせを考えたり、災害用として家庭に置くことを検討しています。
しかし、家庭用蓄電池も各メーカーから様々な種類が出ており、ちゃんと調べないといざという時に使えなかったり、損をしてしまう可能性が高いことが分かりました。
そこでここでは、蓄電池の容量だけでなく住環境やライフスタイルに合わせた蓄電池の選び方のポイントを解説していきます。
蓄電池があれば、電気を貯めることが出来るようになるので光熱費の節約にもなりますし、いざという際の備えにもなります。
これから検討を考えている方は、損をしないためにもぜひ参考にしてみてください。
家庭用蓄電池の容量とは?
家庭用蓄電池は、リチウムイオン蓄電池が主流です。
日本ガイシが開発したNAS蓄電池という電池もありますが、大容量で事業会社が使う用途がメインのため、一般家庭で使われることはほぼなく、各メーカーが販売している家庭用の蓄電池はリチウムイオン蓄電池になります。
メーカーにこの家庭用蓄電池のカタログ請求をすれば容量の記載がある資料が届きます。
ですが、その数字を見ただけではどの蓄電池が自分に合っているのかよく分かりませんよね。
蓄電池の容量と単位「Wh」とは?
容量とは、電池内部にどれだけ電気を蓄えられるかを示す指標です。
一般的に「kWh」もしくは「Wh」という単位で表します。
この数字が大きければ大きいほど、大量に電気を蓄える事が出来ることになります。
例えば、100Wの電球を10時間点灯し続けた場合、容量は下記のように計算します。
100W × 10時間 = 1000Wh (=1kwh)
逆に考えると1kwhの容量なら、
100Wの電球を10時間点けっぱなしにできるだけの電気を蓄えられる
ということになります。
蓄電池容量の注意点
そのため、蓄電池の容量を選ぶ際は、使いたい電気の使用量よりも、少し多めの容量を用意すると安心だと言われています。
家庭用蓄電池の必要な容量の計算方法はコレ!
どのくらいの容量が必要かは、家庭のライフスタイルで変わってきます。
逆に必要となる電力をあらかじめ決めておけば、どれくらいの容量の蓄電池が適しているのか見えてきます。
例えば、
平均的な6~8KWの蓄電池ならば、
400W程度の家電製品を12H~18H稼働させることができます。
下記の一覧表は、一般的な家電製品の必要電力量です。
停電時にどの家電をどれくらい使用するのか考えてみてください。
携帯電話 | 15W |
照明 | 100W |
こたつ(弱) | 100W |
パソコン | 100W |
テレビ | 150W |
冷蔵庫(40L) | 190W |
洗濯機(8kg) | 600W |
エアコン(冷房) | 650W |
エアコン(暖房) | 750W |
電子レンジ | 1500W |
IHクッキングヒーター | 700W |
もし携帯、照明、こたつ、パソコン、冷蔵庫を12時間使用したいと思ったら、
(15+100+100+100+190) x 12 = 6060Wh = 6.6kWh
少し多めの 7kWh前後の容量を選ぶと良いでしょう。
災害時にはエアコンなど電気をたくさん使う家電の使用は控えると思いますが、
自宅がオール電化でIHクッキングヒーターをご利用の方や、
在宅で介護をしている方などは、容量が大きい蓄電池の方が安心ですね。
家庭用蓄電池の選び方とは?
家庭用蓄電池はメーカーから多数出ています。
では、どのようにして選べばいいのか?比較をする際のポイントとは?などなど、容量以外にも注目すべきポイントをご紹介していきます。
蓄電池の寿命(充放電回数)
蓄電池は電気を貯める充電をして、電気を使う際に放電をします。
この充放電の回数には寿命があり、保証されている回数を超えると蓄電容量が減っていき、最終的には充電しても大して電気が貯められなくなっていきます。
携帯もバッテリーの消費が早くなったりしますが、それは充放電を繰り返しているせいで蓄電池容量が減っているからです。
この寿命はメーカーによってことなるので、購入を検討する際は比較をするようにしましょう。
蓄電池の価格
価格は本体価格だけではありません。
工事費や受けられる補助金の金額は、見積もりの時に確認しましょう。
メーカーによっては、本体価格は安いのに工事費が非常に高いケースもあります。
購入してから後悔をしても遅いので、検討をする際は「設置にかかる全ての費用」をちゃんと出してもらうようにしましょう。
保証
メーカーによって、保証内容は様々です。
保証期間が10年のメーカーもあれば、15年のメーカーもあります。
保証の内容も、保証が適用される条件もメーカーによってバラバラです。
蓄電池は買って終わりではなく、普段使う中で故障が生じるので運用の方がお金がかかりがちです。
保証がないと故障した際の修理費用を自腹で払うことになるので、どのような保証をしてくれるのかはちゃんと調べるようにしましょう。
家庭用蓄電池メーカー比較一覧!
蓄電池のメーカーを比較する3つのポイントを踏まえて、各メーカーの主要製品を比較しました。
京セラ | シャープ | NEC | 東芝 | パナソニック | 4R ENERGY |
|
商品型番 | EGS-LM72BIII | JH-WBP17 | ESS-003007C0 | ENG-B6630A2- N1 |
PLJ-25532K | EHB-240A030 |
蓄電容量 | 7.2kWh | 4.4kWh | 7.8kWh | 6.6kWh | 5.6kWh | 12kWh |
寿命 (畜放電回数) |
6,000回 | 8,000回 | 5,000回 | 10,000回 | 3,650回 | 3,650回 |
メーカー 小売希望価格 |
240万円 | 208万円 | オープン 価格 |
270万円 | 191万円 | 380万円 |
メーカー 保証期間 |
10年 | 10年 | 10年 | 10年 | 10年 | 10年 (有料) |
特徴 | 12時間 連続使用 可能 |
超寿命 設計 |
動作音が 静か |
低温に 強い |
壁掛け タイプあり |
大容量 |
蓄電池を導入すると補助金が出る?
蓄電池の補助金には、「都道府県」からのものと「市区町村」からのものがあります。
そして、全ての都道府県や市区町村で助成金が出るわけではありません。助成金が終了している場合もあるので、まずは住んでいる地域の自治体の状況を調べましょう。
県のHPや市区町村のHPに、助成金についての記載がありますし、見つからない場合は窓口に電話で問い合わせてみることをおすすめします。
ちなみに、補助金の申請は先着順です。
自治体の予算が終了していると、新規の受付を行っていない場合がありますので注意をしてください。
蓄電池の設置に必要な費用とは?
蓄電池の設置に必要な費用は、値引きや補助金を差し引いて、
100万円~200万円程が一般的な価格帯になります。
複数の業者から見積もりを取って、比較してから購入しましょう。
業者によっては数十万も差が出て来るので、ちゃんと比較をするようにしましょう。
家庭用蓄電池を設置するのに消防法が必要?
消防法とは火災を警戒・予防し、国民の生命・身体及び財産を火災から保護するとともに、火災や地震などの災害が発生した場合は、傷病者の搬送を適切に行うというものです。
家を建てる際もこの消防法が考慮されます。そのため、家庭用蓄電池を設置する際も同じように消防法を考慮して設置されます。
基本的には、メーカーが全てチェックして導入が可能かどうかを検討してくれるので、まずは問い合わせをするところから始めてください。
まとめ
家庭用蓄電池の容量とは、
その電池内部にどれだけ電気を蓄えられるかを示す指標であり、
「kWh」もしくは「Wh」という単位で表します。
どのくらいの容量の蓄電池を選ぶかは、
その家庭のライフスタイルによって異なります。
非常時に最低どれくらい電気を蓄えておけばよいのか、
家電ごとに計算して、必要量を把握してから選ぶと、いざという時に安心です。
選ぶポイントは「容量」の他に、
「寿命」「価格」「保証期間」をチェックしてください。
複数の業者から見積もりを取って比較しながら選べば、
価格も安く満足度の高い蓄電池を選べるでしょう。