エネファームが電気やお湯を作る仕組みはどうなっているの?
どんな家やマンションでも設置出来る?
エネファームとエコキュートの違いってなに?
エネファームの仕組みは実はとっても簡単です。とくに家庭の導入を検討している方は、そこまで難しい専門用語まで理解しなくても設置の判断ができます。
僕自身もマイホームにエネファームの設置を検討したのですが、ポイントを押さえれば仕組みを理解をするのはとっても簡単でした。
一方で、調べるほどに注意をしなければならない”落とし穴”がたくさんありました。
最近はエネファームとエコキュートのように、区別がつきにくいサービスもよく出ていますよね。
もし、仕組みをあまり理解せずに業者の言いなりになって導入をしてしまうと、数百万円の損をしてしまいます。
そんなエネファームについて、仕組みや価格、コスト、寿命などについてなるべく丁寧かつ簡単に分かりやすくまとめました。
これから導入を検討されている方は、ぜひこの記事を参考にしてください。
エネファームの仕組みを簡単に説明すると?
エネファームの仕組みを簡単に説明すると、
「私達が普段使っているガスの中に含まれた水素を利用して発電し、その発電時の熱でお湯を作る」というものです。
都市ガスやLPガスなど普段私たちが使っている家庭用のガスから水素を取り出し、
それと空気中の酸素を化学反応させることで発電を行います。
発電時には熱が出ますが、その熱も無駄にすることなく利用して、
貯湯タンクの中の水をお湯に変えます。
エネファームを設置すれば、エネファームだけで電気とお湯の両方を作ることが出来るようになります。
エネファームを導入する際はお湯切れに注意
エネファームは貯湯タンクの水を使うので、お湯切れに注意が必要です。
子供が小さいうちはいいのですが、大きくなって一日に使う量が増えるとお湯切れになるケースもあります。
バックアップ給湯器がついているので、お湯切れが起きるとバックアップから供給されますが、それにも限界があります。
そのため、あらかじめ大きめの水を貯水できるタンクを設置しましょう。
ちなみに、「燃料電池車」というものが話題になっていますが、これはエネファームの原理とほとんど同じです。
エネファームは停電しても使える?
エネファームには「停電時発電機能」がついており発電を継続出来るため、停電になっても電力が使えます。
停電時専用コンセントから電気が供給されるので、それに繋げれば、
照明や通信機器はもちろん、シャワーや床暖房まで使用することが出来ます。
パナソニックや京セラなどメーカーと機種によって変わりますが、最大使用電力で約500W、発電可能時間は最長約4日間という製品もあります。
停電前の発電開始から数えて、約96時間は発電を継続することができます。
もし最大使用電力を超える電力を使用してしまうと、一旦電気出力はストップされますが、その後供給を再開します。
ただし、この間に電気製品の電源を切らなければ、エネファームは停止してしまいますので注意をしてください。
ちなみに貯湯ユニットやバックアップ熱源機にも電力は使用されるため、注意が必要です。
また、停電だけなら大丈夫ですが、地震でガスと水道の供給もストップしてしまうと、発電が出来ないので注意してください。
詳しくは、メーカーのHPや商品パンフレットに記載されていますので、導入を考える際は詳細を確認するようにしましょう。
エネファームの設置場所に制限がある?
住宅にエネファームを設置するためには、当然ですが十分な設置スペースと、配管や配線経路が必要です。
そして、分電盤を今お使いのものから、
エネファーム対応のものに取替工事をしなければなりません。
電力会社への申込も必要になるため、
事前に販売店や契約会社に相談をして下さい。
また、マンションなど集合住宅にお住まいの方のために、
マンション向けのエネファームも開発されました。
エネファームが最初からついている、
「エネファーム採用マンション」というものも増えています。
今後マンションへの引っ越しを検討されている方は、
ぜひ事前に調べることをおすすめします。
エネファームのダブル発電とは?
エネファームと太陽光発電など、
二つ以上の機器で発電することをダブル発電と言います。
エネファームによるダブル発電のメリットとデメリットを挙げていきます。
エネファームによるダブル発電のメリット
- 電力を買い取ってもらい、売電収入を得られる
- 補助金をより多くもらえる
売電収入
これがダブル発電における最大のメリットです。
太陽光発電システムを導入すると、発電した電力はまず自家消費され、
残りの電力を売電して収入を得るという仕組みになっています。
そこに、エネファームの発電も同時に行えば、
エネファームの発電した電力が自家消費分をまかなってくれるため、
太陽光発電の発電した電力はほとんど余ります。
それをまるごと電力会社に買い取ってもらうことが出来るのです。
その収入は、年間で約20万円ほどになります。
補助金
ダブル発電を導入することで、補助金を受け取れます。
その金額は、機器費用から23万円を差し引いた金額の半額と、工事費用の半額です。
ただし、上限額は45万円と決まっているのでお気を付けください。
また、補助金を受けるためには、その対象の機器を選ぶ必要があります。
エネファームによるダブル発電のデメリット
- 初期費用が高額になる
- 電力の売電価格が減る
初期費用
エネファームも太陽光発電システムも、
どちらも導入価格が200万円ほどかかります。
両方合わせると400万円ほどの初期費用を見積もらなければなりません。
導入後の光熱費の削減や売電収入などは、徐々に初期費用を回収するものであり、
一気に手元に戻るものではないので、初期費用は慎重に検討しなければなりません。
売電価格の低下
メリットの欄で述べた通り、ダブル発電にすると売電量が格段に上がります。
しかしそれでは電力会社の方が支払いが追い付かなくなってしまうため、
売電価格を下げることでバランスが取れています。
2017年度の場合、
太陽光発電システムだけを導入した場合は、1kWhあたり30円なのに対し、
エネファームを導入しダブル発電にすると、1kWhあたり27円にまで下がります。
このように、ダブル発電には様々なメリットとデメリットがあります。
エネファームと共に太陽光発電システムの導入を検討されている方は、
こういった点に注意をしてしっかりと相談をし、見積もりを出して下さい。
エネファームとエコキュートの違いとは?
「ガス」を利用するエネファームに対して、「電気」を使うのがエコキュートで両者の違いになります。
エコキュートは本体価格が50~80万円程度なのでエネファームよりも安いという特徴があります。
しかし、電気を使ったエネファームは電気代が安い深夜にお湯を沸かすため、もしお湯が足りなくなった時に、電気代が高い日中にお湯を沸かさなければなります。
オール電化などでエコキュートにするという選択肢もありますが、電気が止まるとお湯も使えなくなるので注意が必要です。
まとめ
複雑な仕組みになっているエネファームですが、
簡単に説明するとこのようになります。
- エネファームは、燃料電池ユニットと貯湯ユニットで構成されている
- 都市ガス・LPガスなどを利用し、燃料電池ユニットの中でガスに含まれている水素を取り出し、
酸素と化学反応させて電気を作り出す - 発電の際に熱が発生し、それを利用し貯湯ユニット内の貯湯タンクの中の水を熱して湯に変える
- 貯湯タンクの湯が切れた際には、同じく貯湯ユニット内のバックアップ給湯器が代わりに作動する
エネファームは年々開発や改良が進んでおり、
特に新築時には多くの方が導入を検討しています。
どうせ新たに購入したり古いものから取り替えたりするのなら、
最新の技術を駆使した、環境にも経済的にも良く、
また非常事態の対応出来るものを選びたいのは当然です。
初期費用の見積もりや設置スペースの確保などをしっかりと事前に相談し、
ぜひエネファームの購入を検討してみてください。